Youtuber界に大きな革命を起こしたといわれる、バーチャルYoutuber(以下、Vtuber)。
企業・個人を問わずたくさんのVtuberが誕生し、日に日に競争は激化しています。
Vtuber活動を始める参入障壁が低いことから、「わたしもVtuberデビューしたい!」「弊社もVtuber事業をやりたい!」と思っている個人・企業も多いのではないでしょうか?
しかし、何の計画も立てずにVtuber活動を始めてしまうと、周りのVtuberとの競争に消耗し、成果を出せずに終わってしまうリスクがあります。
今回は、オンリーワンな「アイドルVtuber」になるための差別化戦略や、効果的なマネタイズ戦略を5つご紹介します。
アイドル路線でのVtuberで活動していく予定の個人・企業の方にとって、参考にしていただければ幸いです。
1.何を「専門分野」とするVtuberなのかを明確にして差別化をはかる
Vtuberの数は日を追うごとに増えていて、どんどん参入障壁が下がっています。
「バーチャルYouTuberランキング」を運営する株式会社ユーザーローカルは、2018年5月28日にVTuberの総数が3,000人を突破したことを発表しました。
今後もおそらく色んなVtuberが誕生し、人気争いが激化していくことでしょう。
このような過酷な競争を勝ち抜き、Vtuberとして成功するには「専門分野」を明確に決め、それをファンに認知してもらう必要があります。
いわゆる、差別化戦略です。
例えば、「歌ってみた系動画といえば、〇〇のVtuberが一番いいよね!」と、ファンから言ってもらえるかどうかで勝敗が決まります。
そのために必要なことは、YouTubeで配信する内容・動画のジャンルを絞ることです。
アイドル路線での成功を狙う場合は、歌ってみた動画・ラジオ放送・生放送配信などをメインで配信するのが相性が良さそうです。
実例として、VRアイドルとしてメジャーデビューを果たした岩本町芸能社では、配信する動画の内容を絞っています。
あれもこれもと配信するのではなく、「専門分野」を明確にすることでファンからの認知もされやすくなるため、このような差別化戦略はVtuber事業を効率的に進める上で必須となってきます。
2.普段から配信する動画でVtuberに「ギャップ」を持たせる
人に興味を持ってもらう時に一番有効なのは「ギャップ萌え」です。
例えば、普段はツンツンしているのに、自分の前でだけ甘えてくる「ツンデレ」な女の子はアニメの世界では王道的なギャップ萌えですよね。
わたしはツンデレ系女子に弱いため、一瞬で心を奪われてしまいます(笑)。
このようなギャップ萌えをVtuberに付与させるには、配信する動画のジャンルを2~3つ以上持っておくことが必要です。
先程も例に挙げた岩本町芸能社でいうと、歌ってみた動画・生放送配信・ラジオ放送といった3つのジャンルで配信することにより、各Vtuberのギャップを引き出しています。
歌ってみた動画
生放送
ラジオ放送
トークやアドリブ企画で「人間味」を引き出し、歌を歌うことで「専門分野」の認知を拡げる。
『普段のトークではわりとグダグダ感があるのに、歌い出すとガラッと人柄が変わる』的なギャップを上手く生み出すことが出来ると、強烈な「ギャップ萌え」となります。
意外な一面、ギャップ萌えをちゃんと作ることができれば、それだけで他のVtuberと差別化が成功するでしょう。
3.「ゴール・ミッション」を宣言し、ファンと一緒に成長するストーリーを作る
Vtuberの専門分野・ギャップ萌えの認知を拡げていくと、それに共感したファンが少しずつ集まってきます。
とはいえ、一朝一夕には集まりません。
場合によっては、1~2年以上かかることもあるでしょう。
この際、より効率的にファンを増やしていくには「ゴール」や「ミッション」を宣言することが有効です。
例えば、岩本町芸能社の場合は「Twitterフォロワーが1万人以上になったらデビュー決定」というミッションを大々的に宣言しました。
そして、「Twitterフォロワー1万人以上突破」という当初のミッションを、「ファンのみんな」で成し遂げることが出来ました。
Vtuberだけが頑張るのではなく、ファンを巻き込むことで「一緒に成し遂げた」という強い絆が生まれるため、よりファンの濃さが強まりますね。
こういった「アイドルの成長」をストーリー化する戦略は、リアルのアイドルでも用いられています。
モーニング娘。・AKB48・ももいろクローバーZなどといった超メジャーアイドルも、結成時はファンと一緒に何かしらのミッションを共有していましたから。
リアルでもバーチャルでも、アイドルとして成功を収めるための「勝利の方程式」は同じなんですね。
4.マネタイズプランは2つ以上用意し、事業を安定させる
では、具体的なマネタイズプランをどう設計するのがいいかを考察してみます。
まず、マネタイズプランは大きく分けると2種類あります。
それは、「単発制」と「月額制」です。
単発制は、グッズ販売・楽曲の購入・イベント開催などが挙げられます。
要は、一度お金を払ったら手に入るモノ・サービスですね。
もう一方の月額制は、ファンクラブが代表的です。
毎月お金を支払うことで参加できるサービスを指します。
この2つのマネタイズプランを組み込むことにより、事業の収益は安定化します。
単発制に依存するとグッズをひたすら売り続けなければなりませんし、月額制に依存すると会員数の多寡に収益が大きく上下するリスクが高いですから。
5.グッズ制作は日用品を、ファンクラブはクローズドな情報を提供する
単発制で販売するグッズは、日用品・普段遣いできるものが良いでしょう。
キーホルダーやストライプ、缶バッジなど身につけられるものは手軽に購入しやすいです
クリアファイルなども、普段遣いできて重宝しますね。
逆に、月額制ファンクラブで提供するのはモノではなく、「クローズドな情報」が代表的です。
ファンクラブ会員限定のライブ先行招待や、ファンクラブ会員限定でしか聞けないラジオ放送など「秘密」を共有できる属性のものが喜ばれるでしょう。
マネタイズプランに100%の正解はありませんが、事業の収益を安定化させるには、単発制と月額制を組み合わせるのが一番効果的かと思われます。
まとめ
Vtuber事業はこの先もっともっと参入障壁が下がり、ライバルが激増することでしょう
そして、レッドオーシャン化して、周りのVtuberと差別化することが難しくなっていくと考えられます。
しかし、そんな中でも勝ち残るには、あらかじめ戦略をちゃんと固め、淡々と目標に向かって活動してくことが大切です。
そのために必要なのが、
- Vtuberの専門分野を明確化する
- ギャップ萌えを作る
- ゴールやミッションをファンと成し遂げる
- マネタイズプランを2つ以上用意する
- グッズは日用品、ファンクラブは秘密の情報を提供する
だと感じています。
今からVtuber事業を始める方、今既にVtuber事業に取り組まれている方にとって、今回ご紹介した差別化戦略・マネタイズ戦略がお役立て出来たなら幸いに思います。