YouTubeの中でも、熱狂的な盛り上がりを見せているバーチャルYouTuber(以下、Vtuber)。
Vtuber業界は参入障壁が低いため、企業・個人問わずたくさんのVtuberが活動していて、更に新規参入勢も純増しています。
株式会社ユーザーローカルの調査によると、2018年5月28日にVTuberの総数が3,000人を突破したとのこと。
そんな苛烈な競争が続くVtuber業界の中では、有名になるVtuberと無名のまま消えていくVtuberの二極化がどんどん進んでいます。
この2つの違いは、一体どこから生まれるのでしょうか?
また、Vtuber界の中で生き残っていくには、どんな戦略をとるべきなのか?
今回の記事では、個人Vtuberがアイドル路線として活動していく上でやるべき差別化戦略と、Vtuber活動をマネタイズに繋げるための方法を考察します。
今Vtuberで活動していて伸び悩んでいる方や、これからVtuberを始めようと考えている方にとって、お役立てできると幸いです。
企業系Vtuberとは同じ土俵で「戦わない」戦略を考えることが重要
個人Vtuberとして活動している、ふぇありすが投稿したある動画がとても興味深い内容でした。
動画の内容をざっくりまとめると『企業系Vtuberの参入により、個人Vtuber勢の伸び率に限界を感じ始めた』というものです。
個人Vtuberの未来を、やや悲観的に捉えているように見受けられますね。
確かに、企業系Vtuberは資金もたくさんあるし、動画編集する人手・労力も個人Vtuberに比べ優位な立場にあります。
しかし、わたしの見立てとしては、個人Vtuberの時代はこれから発展していくと考えています。
なぜかというと、企業系Vtuberがやらないこと・できないことを、個人Vtuberが独占していけるからです。
個人勢Vtuberはコンテンツ力ではなく「キャラクター」で勝負していく時代
先程の、ふぇありすの動画では「コンテンツの提供力で企業系Vtuberに勝てない」という旨の発言がありました。
確かにその通りだと思います。資本力のある企業系Vtuberには、コンテンツ提供力で勝てませんから。
なので、個人Vtuberが勝ち残っていくには、「キャラクター力」を打ち出して行く必要があります。
例えば、企業系Vtuberをメジャーアイドルとするならば、個人Vtuberは地下アイドルのような対立図です。
日本国民の全てがメジャーアイドルが好きかと言われるとそうではなく、地下アイドルの方が好きだという人は一定数います。
つまり、個人Vtuberがとるべき正しい戦略は、地下アイドルのような「母数は少ないけど熱狂的なファンをつけていく」ということになります。
個人勢Vtuberはできるだけコストをかけず「誰もやってないこと」を徹底的にやる
個人Vtuberは資本力では企業系Vtuberには、絶対に勝てません。
であるならば、お金をかけずに配信できるジャンルの動画を投稿し、独自路線を極めればいいんです。
わたしが最近注目しているVtuberは、赤月ゆに。
彼女は「金髪美少女吸血鬼Vtuber」として、2018年4月29日にVtuberデビューしました。
事務所には所属しておらず、個人で活動しているようですね。
赤月ゆにの凄いところは、とにかく「お金がかかってない配信」をしている点。
基本的に、『今日がなんの日なのか?』を、毎日発信しているだけなんです。
実際、配信している内容自体は「誰でもできそう」なものですよね?
でも、誰でもできそうなのに「誰もやってない」んです。
企業系Vtuberは、絶対にやらない内容の放送だと思います。
しかし、ファンの間では熱狂的な支持が起きており、今後必ず「大化け」するのではないかと踏んでいます。
『赤月ゆに=今日は何の日Vtuber』との認知が定着している証拠です。
個人VtuberはSNSをフル活用してYoutubeへの集客効率をあげる
個人Vtuberで伸び悩みを感じている人は「YouTubeの中だけ」で勝負しようとしているように見受けられます。
つまり、「Vtuber視聴者」を企業Vtuber・個人Vtuber同士で取り合っているという縮図になっているんです。
こうなると、コンテンツ提供力に限界がある個人Vtuberには勝ち目はありません。
では、どうすれば活路を見いだせるかというと、「YouTube以外の世界」からファンとなってくれそうな人と接点をもつ必要があります。
そのときに活躍するのが、SNS。
一番使いやすいのはTwitterだと思われます。
先ほど紹介した赤月ゆには、Twitterの使い方もめっちゃ上手いんですよね。
毎朝、Twitterに1分半くらいのショートムービーをアップし、Twitterユーザーとの接点を作っています。
おはよう眷族の諸君!
10月5日!今日は世界教師デー!Adobe sensei を倒して世界一の教師になって見せる……#世界教師デー #ゆにの日 pic.twitter.com/abEpIbTumV
— 赤月ゆに 🦇 月とライカと吸血姫コラボ公開中 (@AkatsukiUNI) 2018年10月4日
つまり、赤月ゆにはYouTubeだけでなく、Twitterにもコンテンツを投下し、自分の土俵をYouTube以外のところに作っていっているんです。
そして、Twitterで赤月ゆにに興味を持ってくれた人がYouTubeチャンネル登録をし、更に濃いファンになっていきます。
ちなみに、赤月ゆにのYouTube動画は、Twitterのショートムービーをまとめたものが多いです。
コンテンツ制作、勝負する土俵の作成、市場への認知などどれを取っても「合理的な戦略」だと言えますね。
アイドル路線で活動したい個人Vtuberは「身近さ」で勝負せよ!
個人Vtuberがアイドル路線で差別化するには、「身近さ」を打ち出していくといいでしょう。
例えば、平日は毎朝Twitterで1分くらいのショートムービーを投稿します。
内容は何でもよくて、「おはよう!」とか「今日も元気にいってらっしゃい!」など、朝の挨拶をするだけでもいいかと思います。
そして、土日はYouTubeに歌ってみた系の動画を投稿し、アイドル活動をする。
こうすることで、自然とキャラクターにギャップも作れるし、ファンにも色んな側面を楽しんでもらいやすくなります。
資本力のない個人Vtuberはファンに支援してもらえばいい!
また、個人Vtuberは資本力がないからこそ、打てる戦略があります。
それは、ファンから「支援」してもうらうというやり方。
Pixiv FANBOXやFantiaなどを活用し、ファンから毎月活動費を支援してもらう代わりに、リターンを提供します。
リターンの内容は例えば、支援者にだけ「裏話」を打ち明けたり、支援者の名前をYouTube動画内にクレジットとして記載したりなど、アイデア次第で無限の可能性があります。
ファンと一緒にチャンネルを作っていく「一体感」が生まれるので、お互いにwin-winなマネタイズプランだと思いますね。
まとめ
企業系Vtuberは、これからもどんどん参入してくることでしょう。
しかし、だからといって個人Vtuberの未来が暗くなることはありません。
むしろ、ちゃんと差別化できさえすれば、唯一無二のVtuberになれます。
- 誰でもできそうなのに「誰もやってないこと」を徹底的にやる
- SNSをフル活用してYouTubeの「外の世界」から集客をする
- 資本力のなさを逆手にとってファンから支援してもらう
上記3つの戦略を上手く組み合わせつつ、「わたしにしか出来ないこと」を突き詰めていくことが、長く愛され続けるVtuberになる秘訣だと思います。
今回ご紹介した差別化戦略が、あなたのVtuber活動にとってお役立て出来たなら幸いです!